ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.85より

インド・クダンクラム原発建設反対
7000人がハンガーストライキ



                             クダンクラム2号機


● クダンクラム現地周辺で反対の動きがさらに激化

 クダンクラムでの闘いは加速してきた。海岸沿いのティルネルヴェリ、カニャクマリなどの地区といくつかの農村が、闘争委員会を設立した。

 クダンクラムの人々は、3月17日に大規模な集会を行い、原発建設に関して「公的な調査」を要求した。参加した人々は、原発1・2号機の建設に使用された材料の品質が非常に劣悪なもので、地域住民の安全を軽視したものだと感じていたからだ。

 多くの農村、漁村が参加する闘争委員会では、ティルネルヴェリ管区(地区)で3月31日に開催される予定の公聴会に向けての戦略を練るために3月19日に会議をもった。当日は数千人の人々が反対の意を表明するために結集する見通しだ。

 ケララ州からも若者や団体が参加して、3月の末にかけて会見や一日がかりの反対行動を計画している。

 ゆっくりと、しかし確実に、クダンクラム原発反対キャンペーンは力をつけ成長している。この脅威を止め、将来の世代を放射能による恐ろしい病や危険な核戦争から守るために、どうか私たちとともに行動してほしい!

● 原発に反対して6000人以上がいっせいにハンスト

 3月24日、クダンクラムにほど近いイディンタカライ村に集まった6000〜7000人の人々が、抗議のハンガーストライキを行った。10時きっかりに始まったハンガーストライキは、地域の宗教者が祈りをささげたあと、多くの反核活動家、女性、漁民、農民、若者らがクダンクラム原発の危険性について発言し、建設の即時中止を訴えた。それら情熱的なスピーチの合間には、大道芸や楽器の演奏、歌、ダンスやシュプレヒコールが織り交ぜられ、以下の声明文を採択して終了した。

1.本日イディンタカライ村に集まった私たち一同は、インドの中央政府および州政府に対して、建設地が人口密集地であるという点でIAEAのルールを無視しているクダンクラム原発建設を中止することを要求する。

2.クランクラム原発3・4・5・6号機について行われようとしている欺瞞的で洗脳的な公聴会を糾弾する。

3.この不正な公聴会の即時中止を要求する。

4.核推進側が何度となく同じうそをつき続けていることを糾弾する。「クダンクラムから立ち退きを強要される人はいない」「どのような意味においても土地、水、海は影響を受けない」「ペチパライダムの水は原発には使用しない」「放射線はそれほどたいした脅威ではない」。彼らが言ってきたこれらすべては嘘だった。

5.核の推進者の手先となって工作を行い、クダンクラム原発推進を叫んでハンストするなどしている一部の人々を糾弾する。
6.インド政府に対して、ナミルナド州のティルネルヴェリ、カニャクマリ、トートゥクディ地区において、故郷のど真ん中に原発を立てることに賛成か反対かを問う住民投票を行うことを要求する。

7.原発の用地として接収された土地、すでに原発関連設備が建ってしまった土地を、地域の人々の生活と人生をよくするための産業用地へと変換することを要求する。

8.私たちは、来るべき選挙においてはクダンクラム原発計画に反対する政党しか応援しないことを決議する。

9.クダンクラム原発によって影響を受ける地域の自治体が、計画への反対決議をあげることを要求する。

● 民衆による公聴会

 反核連合は、3月30日に「民衆による公聴会」をトートゥクディにおいて開催する。退任した裁判官、知識人、エコノミスト、法律家、核・農業・漁業分野の科学者らがパネラーとして参加する。インド全土から、原発および原発推進勢力によって被害をもたらされた人々が、上述の参加者に対してそれぞれの経験した事例を発表する。

ペルマナル、コタンクジ、チェティクラムの村では、同じ日にハンストを行う予定である。

(S.P.ウダヤクマル)


           プーチンとシン首相(07年1月)



ノーニュークス・アジアフォーラム通信 No.85もくじ

No.85(07年4月20日発行)B5版24ページ   

●クダンクラム原発建設反対、7000人がハンガーストライキ
                             (S.P.ウダヤクマル)

●「ムリア原発に賛否」                          

●韓国、インドネシア原発輸出への足取り加速              

●[声明書] コリ1号機事故の隠蔽糾弾および閉鎖要求             

●保護台灣! 不保護環境?  (高成炎)                                 

●エコロジージャスティスとトランジッショナル・ジャスティス
                  (チェ・スーシン )

●米印原子力協力に対する日本の政策に関する質問主意書と回答
             (福島みずほ・安倍晋三) 

●世界先住民ウランサミットに参加して (玉山ともよ)
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