非核亜州論壇2005
共同声明


私たちは、原発、核兵器、核燃料サイクル、核廃棄物処分、ウラン採掘に反対して闘ってきた日本、韓国、オランダ、台湾の人々を代表するものである。

2005年6月3日から8日にかけて台湾で6日間の国際会議と活動を行ない、私たちは私たち自身の全面的な信頼感と連帯感を強めることができた。

私たちはここにノーニュークス・アジアフォーラム2005を祝うものである。第一回は1993年日本に於いて開催された。これに参加しアジアの反核運動を12年にわたって推し進めてきたことを私たちは誇りに思う。しかしながら核の危険をくい止める挑戦は終わっていない。アジアの人々は核災害の恐怖と放射能汚染に曝され続けている。多国籍企業の貪欲さは核エネルギーの拡大に拍車をかけ、核戦争の脅威は広がり続けている。

2005年2月16日に京都議定書が発効したことで、国際的に認められた温室効果ガスの排出量削減を逃れることを理由に、推進派たちは危険な原子力を特にアジアに売り込む許しが得られたと喜んでいる。

原発は気候変動の解決策ではない


1. 原子力は持続可能ではない。核廃棄物を増やし、間接的に温室効果ガスを排出し、また大量の廃熱を放出し、それゆえ地球温暖化と気候変動を悪化させる。

2. 原子炉の稼働期間延長は、機械や部品の劣化により、故障、亀裂、腐食などの問題を招き、破滅的な事故の危険を増すであろう。

3. 温室効果ガスの排出を減らす正しい方法は、省エネルギーを推進し、エネルギー効率を上げ、再生可能エネルギーを開発することである。新しい原発を建設したり、原子炉の稼動期間を延長することではない。

私たちはアジアとヨーロッパの反核運動の協力関係が増すことを予見している。原発、核兵器、核燃料サイクル、核廃棄物処分、ウラン採掘など、この世代と未来の環境と健康を損なう核関連活動をくい止めるため、私たちは草の根民衆の連帯をさらに強めることを決議する。

私たちの立場

1. 私たちは原子力の拡大と原子炉稼動期間の延長に強く反対する。私たちはすべての政府に原子力政策の廃止を呼びかける。

2. 私たちは各国の政府に、治療と補償を含む可能なすべての方法で放射能被害に遭った人々を介護するよう求める。

3. 私たちは原子力を「クリーン開発メカニズム」と「共同実施」における温室効果ガス削減の戦略に盛り込むことに強く反対する。

4. 私たちは持続可能エネルギー政策を支持する。私たちは各国の政府に省エネルギーの推進、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギー(太陽光、風力、小規模水力、バイオマス、地熱、水素、波力)の開発を求める。

5. 私たちは各国の政府に、市民の自己決定権を保証するよう求める。私たちは国民投票法案の修正と第四原発に関する住民投票の遵守を求める台湾の人々の行動に連帯する。

6. 私たちは、第四原発の建設を続行し既存の原発の閉鎖を延期しながら大量エネルギー消費、汚染、二酸化炭素を排出する産業を拡張する台湾政府に強く反対する。

7. 蘭嶼島の核廃棄物貯蔵場は、原住民タオの生命と環境を大きな危険に曝している。私たちはこの問題に関して台湾政府にもっとも迅速で賢明な解決策を見つけることを要求する。

8. 私たちは、ロシアであろうとアジアの他の地域であろうと太平洋であろうと、国境を越える放射性廃棄物の処分に強く反対する。核燃料の供給者は放射性廃棄物を引き取る責任を果たすべきである。

9. 私たちは、原発の32キロ圏内の住民にヨウ素剤を配布するという陳水扁総統の公約を実現することを台湾政府に求める。

10. 私たちは、第四原発にこれ以上の予算を追加しないことを台湾政府に要求する。第四原発の敷地はエネルギー博物館と持続可能エネルギー研究開発センターの立地に好適である。私たちはまた、第四原発の建設埠頭を取り壊し福隆の自然の砂浜を復元することを台湾政府に求める。

私たちは、私たち自身のみならず、特に子どもたちのために、核のない平和の種子を植え続ける。私たちは、私たちが崇め、私たちに恵みをもたらしてくれる大地と海を核の暴力から護るために献身する。それらは未来の世代へのもっとも尊い遺産である。

ノーニュークス・アジアフォーラム2005参加者一同
2005年6月3日〜8日
台湾にて

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