ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.97より

フィリピン・バタアン原発「稼働再阻止」を訴え、2月23日に地元で初の抗議デモがあり、地元住民やカトリック教会関係者ら約千数百人が参加した。

  NO to BNPP Revival! 共同声明

 バタアン原発の復活に反対するネットワーク(NO to BNPP Revival!)は、多様な立場のグループが結集した連合体であり、バタアン原発をただちに復活させて運転させようとするフィリピン政府の現在の策動に対して激しく反対している。

NO to BNPP Revival!は、バタアン原発の復活には何の根拠もなく、きわめて危険であり経済的にも全くメリットがないと確信している。なぜわれわれはバタアン原発復活に反対するのか、以下にその理由を掲げる。

●バタアン原発は、2012年に起こると言われる「エネルギー危機」に対処するために必要ではない。フィリピンには膨大な自然エネルギー源が存在する。それらは原子力より安全で信頼性がある。

●バタアン原発を運転しても、安価な電力の供給は保障されないし、フィリピンのエネルギー供給の自立につながらない。

●バタアン原発は不具合が多く、安全に操業することは困難なほど問題が多い。地震学的な危険、インフラの統合、そして放射性廃棄物の貯蔵と処分に関してこれまで数え切れないほどの重要な議論が行われてきた。バタアン原発の運転はフィリピンの人々と環境に多大なリスクを課すものである。

●バタアン原発の建設費用は、人々の血税の投入と外国からの借り入れをさらに行うことでまかなわれようとしているが、これは汚職や、腐敗した官僚や現政権のとり巻きたちへのキックバックの源となるかもしれない。現在に至るまで、マルコス政権下でのバタアン原発建設に関わる汚職スキャンダルについて説明責任を果した者はいない。

●フィリピンは主要な温室効果ガス排出国ではないので、バタアン原発の運転が世界的な二酸化炭素排出の削減に寄与することはほとんどない。

●アロヨ政権は、バタアン原発は安全で信頼できる低価格のエネルギー源であると宣伝している。フィリピンの民衆が、それほど遠くない過去に、力を合わせて、危険極まりないバタアン原発に反対する主張とデモによって反対運動をくり広げたことを、彼らはすでに忘れてしまっている。

 再び、われわれはバタアン原発への反対とわれわれの要求を高らかに叫ぶ。
 バタアン原発の復活は許さない!
 フィリピンが有する自然エネルギー源を活用し、わが国のために真のエネルギー自立を確保せよ!
 人々と環境にとっての幸福と安全を最優先にせよ!

 2009年2月 約40の団体・個人名(省略)

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