ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.94より

「NNAF 15年」に寄せて

                                    金源植

 1992年5月に横浜で開かれたプレ「地球サミット」会議で、韓国から参加した僕は、アジア反原発陣営の共同戦線構築を提案しました。

 それを受け入れた日本の反原発は、翌93年、第1回NNAFを開催しました。それがぐるりとアジア各国を廻って、今年、日本では3回目となるフォーラムが開かれました。

 温故創新ということばがあります。過去を勉強して未来を創るという意味です。過去とは1993年から今年2008年をいいます。

 原発産業が「地球温暖化対策」と称して、原発を推進しているのが昨今の状況です。

 スリーマイル事故を起こしたアメリカが、また原発に手をつけました。日本も大事故の一歩手前ともいうべき事故を起こしながら原発建設を続けています。ロシア・中国・インドも原発推進国としてのさばり始めています。韓国政府も、これから10基の原発を建設するといっています。

 また、「やめる」「縮小する」といいながら、核兵器所有国は米・英・仏・露・中にインド・パキスタンそしてイスラエルを加えて8カ国になりました。

 核空母「ジョージ・ワシントン」が横須賀に碇をおろし、韓半島の近海を遊弋しています。戦争をたくらんでいるのではないかと思います。戦争がお家芸のアメリカが経済破綻の突破口として戦争をしかけているのではないか。

 僕は戦争恐怖症です。太平洋戦争(大東亜戦争)と朝鮮戦争をたたかった僕は、うたがいの目で眺めています。

 「ノーニュークス(反核)」は、核兵器にも原発にも反対です。核兵器も原発も廃絶するために、新しい抵抗運動をつくりましょう。

 さて、日本は地震の多い国だから、ひっきりなしに問題が起こります。柏崎刈羽原発の問題では、推進側の無神経さが目立ちます。浜岡原発ではいつ原発震災が起きてもおかしくないのに、平気でいられる推進側が不思議です。
 韓国も、コリ(古里)原発は韓国型原発銀座になっています。そこには活断層が走っているというのに、当局はまさに馬耳東風です。

 韓国の原発メーカーはアメリカの手先として中国へ原発輸出をするといっていますが、片腹痛い話だと思います。1994年に韓国でNNAFが開催されたとき、僕は「中国からも反原発運動家を招きたい」と提案しましたが実現できませんでした。中国に反原発運動があるのかどうかわかりません。

 このように原発推進の話ばかり書きましたが、アジア全体として、反原発・反核の我等は負けてはいないと、僕は思います。勝ってもいないが、負けてもいない。勝つときまで、たたかいを続けるのが我等NNAFです。それがいつになるのか。そのときまでたたかい続けましょう。

 僕は一人の反核人として、僕にふさわしい反核をやっています。
 新しいたたかいを創りましょう。
 僕は今年86才です。

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