ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.94より

韓国プアンから祝島への連帯あいさつ

 美しい瀬戸内海に原発をつくらせまいと頑張っている祝島の人たちを見に来てほしいとの招きに、李賢敏(イ・ヒョンミン)氏が、むすめのカランちゃん(中2)と一緒にやってきた。そして、1000回島民デモ記念集会(6月14日)で心温まる連帯の挨拶を述べたのだった。











 


 こんにちは。私は韓国の小さなふるさと、プアンから来たイ・ヒョンミンと申します。わが地域は2003年から2005年まで、放射性廃棄物処分場反対運動を広げた所です。ある日起きたプアン郡長の誘致申請で、25ヶ月間反対運動をして勝利しました。その郡長は、誘致も失敗し、次の選挙でも落選しました。住民の同意もなく、反民主的で独善的な事業推進に対して裁かれたのです。

 平穏に生きていたプアン住民は、反対運動の間、経済的・精神的にあまりにもつらい歳月を過ごしました。しかし、老若男女・職業を問わず、全住民が団結して闘った結果、勝利できました。それは、@わが故郷を開発補償金という金いくらで売ることはできないという心でした。Aまた美しい故郷の風光と環境、安全な暮らしをそのまま譲ってやりたい子孫への愛でした。

 皆様の闘いも同じだと思います。扶安(プアン)の人々の間では、「血と涙の歳月を送った」と話します。ところが皆さんは、プアンより10倍をはるかに超える歳月を闘って来られ、まだ進行中です。祝島の皆さんへ、惜しまぬ賛辞と尊敬を送ります。私たちの闘いは、国民として当然享受すべき幸福追求権を守るための苦闘です。

 世の中には金で取引できない、さらに大切なものがあります。それはお母さんにとっては子供であり、おばあさんにとっては孫への愛であり、他郷に住む人々の心にとっては、故郷に対する愛着でしょう。

 韓国や日本では、石油の代案が原子力だと声を高めています。だが、核は「絶対的に危険」なのです。原発で数千、数万年も子孫を脅かす核のごみを作ってはいけません。プアンでは勝利しましたが、それで終わったのではありません。エネルギー政策が変わらない以上、第2、第3のプアンが生まれることになります。

 同じように、祝島を原発から守ることは、日本人と地球人の責任です。地球は一体です。そのように、プアンも祝島もひとつです。ですから27年間、揺るがず闘ってきた皆さんへ、連帯の熱い心を伝えます。共に闘って行きましょう。必ず勝利しましょう。私も韓国へ帰って、皆さんの闘いを知らせます。「夜明け前がいちばん暗くて寒い」といいます。

 1000回デモを継いでいる祝島住民へ、もう一度、熱い同志的愛情をお伝えします。

(思いもかけず李さんは、終わりの一節を、金さんから急遽習った日本語で伝えてくれた)

              原発いらん!下関の会「むらさきつゆくさ」より




ノーニュークス・アジアフォーラム通信 No.94もくじ

                
 (08年10月20日発行)B5版24ページ

●「NNAF 15年」に寄せて (金源植)                    

●「上関原発」情勢が緊迫 (沢村和世)                    

●日本から4人がプアンを訪問 (プアン独立新聞)

●「国家エネルギー基本計画」の公聴会に反対する
                       (韓国・エネルギー市民会議)   

●「原発はバンテン州に建設する」
                インドネシア技術研究担当大臣が発言 他  

●「台湾第四原発の試運転、来年末にも始まる」 他
                  
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