大庭里美著「核拡散と原発」

☆核拡散と原発☆
   ――希望の種子を広げるために
         大庭里美著、四六判、306頁、定価(本体1,800円+税)

     発行/図書出版南方新社 〒892-0873 鹿児島市下田町292-1
     tel099-248-5455 fax099-248-5457  Eメールinfo@nanpou.com

  

北朝鮮、イスラエル、イラン、パキスタン…… は、こうして核を手にした。

原発、劣化ウラン弾、核実験、ウラン採掘……。原発から核兵器につな
がる核国家、核産業の人類への破壊的行為を浮き彫りにする。

■内容(目次から)
第一部 核拡散と原発
 序章   縮小ではなく廃絶を!
 第一章  六ヶ所再処理工場は世界への脅威
 第二章  なぜ、プルトニウムにこだわるのか
 第三章  カーン博士のブラックマーケット
 第四章  フランス核実験ともんじゅ
 第五章  痛快無比な市民の核廃絶行動
 第六章  核と先住民族
 第七章  劣化ウラン
 第八章  9・11 と 米核政策
 第九章  アボリション・ナウ!
 第十章  軍縮と核不拡散教育
 第十一章 北東アジア非核地帯の夢と障害物
 第十二章 人間の安全保障

第二部 翻訳資料

 一、原発と核兵器の不可避な関係
 二、イスラエル核開発の歴史
 三、浮上したイランの核計画
 四、北朝鮮の核施設
 五、南太平洋で何が起きているか
 六、アメリカ先住民族と核
 七、先住民族と核拡散防止条約
 八、劣化ウラン弾は、再処理のウランから
 九、ITERと核拡散の危険性


●大庭さんの「核拡散と原発」をぜひ読んでください! 
六ヶ所再処理工場がなぜ世界的な問題なのかよくわかる必読の書です。

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                「おわりに」から

まず何よりも、この本の編集・校正・出版を多忙にも関わらず引き受けてくださった南方新社・向原祥隆さん、校正を手伝ってくださった西塔文子さん、その他協力してくださった全てのかたに、心から御礼申し上げます。

 母・大庭里美は、この本を含め自分が関わった3冊の本※の出版を待たずして、突然この世を去りました。5月のNPT再検討会議を前にどうしても本にしたいと、1月にこの原稿に取り組んでいました。

「アジア太平洋みどりの京都会議」コーディネーターの仕事を終えて帰った2日後の2月16日、自宅でくも膜下出血に倒れ、24日に息を引き取りました。54年という歳月を全力で駆け抜けた人生だったのだと思います。

反核・反原発を訴えて14年、その活動が国内ではなかなか理解されにくく、信頼するわずかな仲間とともに孤軍奮闘してきました。カンパなくては生活できないような暮らしでも、母と話をしていつも行き着くのは、「お金はなくても、家族みんなが元気でいられることが一番の幸せ」でした。

母が活動を続けてこられたのは、子どもや未来の孫、ひ孫のためと自分を奮い立たせてきたから。信じてきたものは、政治家や学歴のある人の話でもなく、神や仏でもなく、同じように草の根の活動を続ける仲間と、今現在、社会の片隅で苦しんでいる被爆者や先住民族、そして戦争やあらゆる暴力の被害者の声でした。

母に代わり、これまで活動をさまざまな面でサポートしてくださり、ともに活動してくださった多くの方々に深く感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

今年、被爆60年を迎えた日本。でも、決して過去を追悼するだけではすまされない。あれから世界のヒバクシャは増え続けているということ、原子力発電と核燃料サイクルが存続する限り、母なる大地は汚され、新たなヒバクシャを生み出しているということから目を逸らさないで。

核の犠牲者とともに、母は今もそう訴えているのでしょう。生きている人間の責任を、強く感じます。  
                 2005年7月20日    長女  みずほ

※ 『あなたの手で平和を! ―31のメッセージ』(フレドリック・ヘッファメール編、大庭里美・阿部純子訳、日本評論社、2005年3月)、『原子野からの旅立ち』(女子パウロ会、2005年6月)、および本書。



「私たちは今どこにいるのか」――操作された情報があふれかえり、見るべきものが見えなくなって、世界のなりゆきに私たち一人ひとりが責任を負っているということさえ忘れ去られてしまいそうに見える今、一人の女性が、今を生きる私たちの「海図」ともいうべき一書を残して旅立っていった。・・・・命を削るようにして本書を残していってくれた・・・・(西塔文子)

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