ノーニュークス・アジアフォーラム通信No.70より

核のない社会を作る「懺悔の三歩一拝」を始めるにあたって 

私たちは今日のこの日、深い懺悔の気持ちから三歩一拝を始めようと思います。私たちの三歩一拝行動は、生命を生み出し、生命を守り、そして生命を循環させてくれる大地との対話です。

私たちの肉身は一歩、二歩、そして三歩を踏み出して偉大な大地に頭を垂れ、生命の言語で懺悔するでしょう。私たちは、一歩目を踏み出すとき、自らの内なる利己心と貪欲を掃き清め、二歩目を踏み出すとき、死んでいくすべての生命に対する憐憫の気持ちを起こすでしょう。三歩目を踏み出すとき、苦痛を受けているあらゆる生命を甦らせ共に生きようという共存の道を悟らせるでしょう。跪いて両手を合わせ一拝する時、生命の永遠性をこの地に植え付けていくでしょう。

私たちは生命および生活共同体を守るために、皆がひとつになって闘ってきました。しかし私たちの闘いは、いまだ苦行の遠い道を歩まねばなりません。この土地に原子力発電所がやってくるという時、 私たちは生命の危機を招く文明の災難物であるということをいち早く悟ることができませんでした。ヨンドク・ウルチン・ヨングァン・コチャンに核廃棄場が誘致されるという時でさえ、私たちは自分たちの生活に忙しいと無関心でいました。核廃棄場と陽性子加速機をプアンの土地にもってくるとなって、ようやく遅まきながら私たちは生命および生活共同体の危機を切迫感をもって悟ることになりました。

私たちはプアンの土地だけでなく、この大地のどこにも核廃棄場が建てられてはならないということを切実に悟りました。私たちの苦痛をこの大地の他の誰も代わりに負うことになってはならないということで、核のない社会を訴えるに至りました。老若男女、皆ひとつになって黄色いろうそくをともし、核廃棄場を白紙にもどすために多様な方法で粘り強く闘ってきました。それにもかかわらず私たちの闘争はまだ勝利を導き出すことができずにいるので、私たちの懺悔が足りないようです。私たちの生命運動が至らないようです。これから私たちは、自らの気持ちをより一層さっぱりと懺悔して、より大きくより深い偉大な大地と全身で対話して苦行に入っていきます。

私たちの三歩一拝の苦行は、核のない社会を作るための自らの内なる苦闘(身悶え)であると同時に、この社会に向けたメッセージとなるでしょう。私たちの苦行は、この地の生命の循環と生活のよりどころをこれ以上誰かに代わりに守ってくれと言うことはできないということの真摯な省察であり、私たち自らが守って行くしかないという主権在民の思想を大地に刻む身悶えでありメッセージです。したがって私たちの苦行は懺悔として終わるものではなく、私たちの社会を新しく開闢していこうとする創造的で自発的な住民生命運動であり、人権と民主主義運動です。私たちの生命運動は、核産業という人間の傲慢と搾取に基盤する死の巫祭を中断させ、自然の理致に順応して自然・人間・生命・文化が共存するエネルギーの使用を促す新しい生活様式の文化運動になるでしょう。

私たちの三歩一拝の苦行は、タプゴル公園(パゴダ公園)を出発してヨイドの国会議事堂に向かうことになりますが、この世のあらゆる場所のあらゆる万物と開かれた心で生命の対話を交わし、核のない世の言語を沈黙で綴っていくことでしょう。そして私たち自身とこの世界に対する新しい発見と疎通の機会となることでしょう。

私たちの苦行はまもなく勝利の社会を開く美しい歩みとなることを確信します。

2004年10月5日

核廃棄場白紙化・核発電追放 全プアン郡民対策委



ノーニュークス・アジアフォーラム通信 No.70もくじ
(04年10月20日発行)B5版32ページ   

●核のない新しい世界のために (ムン・ギュヒョン)              
●核のない社会を作る「懺悔の三歩一拝」を始めるにあたって
      (核廃棄場白紙化・核発電追放 全プアン郡民対策委)
●韓国政府は核廃棄場問題をいったいどのように解決するつもりなのか (イ・ホンソク)
●新コリ原発増設および原発寿命延長反対 全郡民 決議文          
●「核四公投促進会」結成10周年と台湾脱原発の行方 (酒井亨)       
●「核四公投促進会」10週年感言 (高成炎)
●ウラン兵器禁止を求める国際署名を広げ、11.6国際共同行動に取り組もう(振津かつみ)
●日本原子力文化振興財団のプレスレリーズ「劣化ウラン弾による環境影響」
に関する質問主意書と答弁書                      
●松下センセの思い出 (小坂正則)
               

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