連帯声明

歴史的な闘いの中にあるクダンクラムのみなさんへ

 遠く日本から、想像を絶する苦難の中でこの1年間みなさんが継続してこられたクダンクラム原発稼働阻止闘争に、心から敬意を表したいと思います。そして、みなさんの正当な闘いに対して、インド政府が、情報を隠蔽し、人々の声を無視し、ついには暴力で介入してきたことに、心から怒りを感じます。

 広島と長崎の悲劇を経験しながら狭い国土に原発を50基以上も建設させてしまった私たちは、福島原発事故に直面し、どうしてこうなる前に原発を止められなかったのかと悔やんでいます。

 福島原発事故の全容は今も解明されていません。事故の収束にはまだ少なくとも数十年がかかると言われています。毎日、約3000人の労働者が福島原発のさらなる破局を食い止めるために大量の被曝をしながら働いています。福島をはじめとする放射能で汚染された地域では、果てしない汚染が残されただけではなく、それによって複雑な問題が次々に起こり人々がいさかいの中で傷ついています。はっきりと言えることは、子どもや若者を被曝させてしまったということ、そして放射能汚染のことを考えずに向き合える自然環境は失われてしまったということです。

 福島第一原発は今も放射性物質を放出し続けています。それによって、日本だけではなく、世界の人々や地球環境に取り返しのつかない影響を与えていることを、本当に申し訳なく思います。

 クダンクラムのみなさんの闘いは、私たちに力を与えてくれます。大切なのは、目覚めた一人ひとりが自らの意思で立ち上がり、多くの仲間とつながり合い、勇気をもって意見を述べ、体を張って暴挙を止めることなのだと教えられました。

 9月25日、クダンクラムのみなさんに連帯してインドを訪問した3人の日本人が入国を拒否されました。インド政府も日本政府も、命を大切に思い、核のない世界を実現しようとする人々が、出会って国境を越えて連帯することを恐れているようです。

 私たちは、住む場所も、言語も、直面している問題も違うけれど、同じ願いを共有していると思います。放射能によって命が脅かされない世界を実現するために、みなさんと共に歩みたいです。

               2012.9.29   ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン

クダンクラム原発に関する基本情報や最近の動きに関するブログhttp://koodankulam.hatenablog.com/




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