ノーニュークス・アジアフォーラム通信 号外 (04年2月3日)より

プアン 2.14
自主住民投票へ


「プアン郡民5千余名、住民投票宣布式」 「チャムソリ」1月15日付より

住民投票宣布式

1月15日午後4時、「プアン対策委員会」とプアン郡民たちは、水協ビル前の路上(反核民主広場)で「プアン郡民 住民投票 実施宣布式」を開き、「2月14日の住民投票を通じて核廃棄場を阻止し、住民自治を成しとげる勝利の日にしよう」と宣言した。

宣布式には、対策委の文ギュヒョン常任代表、金インギョン教務、黄ジンヨン牧師、ジンウォン和尚、金ソンゴン道議員、李ビョンハク道議員、徐デソク蝟島(ウィド)代表、プアン郡議会で登院を拒否している崔フンヨル、崔ソクォン、朴ビョンジン、張ソクジョン、イム・ジョンシク各郡議員、未来扶敞研究会の金キョンミン会長、民主党の鄭キュンファン議員をはじめ、13の邑・面(村・町)から、平日の午後であるにもかかわらず住民5千余名が参席した。

対策委の金共同代表は、舞台にのぼって、「6か月間ほんとうに崇高な闘争の道を歩んできた。美しい闘争の大長征を咲かせるためにプアン郡民独自の住民投票実施を宣布する」と宣言した。

金共同代表は、「プアン郡民の手で作っていこうとの大事な真理が私たちに与えられた。プアンの住民投票は、独裁による統治の時代を越えて、住民による政治、住民による自治をつくりだす歴史的な出発点であり、大きい事件として記録されるのだ」と、宣言の意味を明らかにした。また、彼女は「プアン郡民独自の住民投票は、プアンでの核廃棄場陰謀を完全に終わらせ、ひいてはこの国のエネルギ−政策の向きを直す歴史的な出発点になる」と強調した。

つづいて、全羅北道南原・益山・群山等の出郷人で構成されたモアク会は、「プアン闘争の精神と連帯する」といい、対策委へ誠金を渡し、プアン芸能人協会と「黄色ゴムぐつチーム」は反核歌で、参席した住民たちとともに住民投票実施を祝った。

また、学生たちは、金ジョンギュ郡守、ウリ党の鄭東栄議長、ノ・ムヒョン大統領を象徴する仮面をかぶって来蘇寺事件(郡守「負傷」事件)やノ・ムヒョン大統領の発言を風刺するパフォーマンスを演じた。

プアン・コチャン地区選出国会議員である民主党の鄭議員は、「政府は政略的に住民投票を総選挙以後へ延期するといっている」「プアン郡民の偉大さを見せよう、プアン郡民の意志をノ?ムヒョン大統領へ投票で見せよう」といった。

プアン対策委常任代表の文ギュヒョン神父は、「プアン郡民の独自的な住民投票日は韓国の草の根である民衆の歴史に記録を残す重大な日である。この土のほんとうの主人がプアン郡民であることを宣布する」と表明した。

文神父は「政府は、6か月間プアン住民たちを死の威脅へ追いこんで公権力という暴力で主権を圧殺してきたが、私たちは主権在民の原則をあきらめない。政府に、住民投票を通じて草の根民衆自治を堂々と確認させる」と強調した。また、文神父は「2月14日は、生居プアンの歴史を再び咲かせる郡民大同祝祭の日、生命と平和、新生居プアンよりどころの日」と意味を附与した。

私たち

この日の集会に参席したプアン住民たちは、「プアン独立万歳」「誇らしいプアン郡民、新しい生居プアン・反核プアン万歳」と叫びながら「住民投票勝利させて核廃棄場計画撤回させよう」とスローガンを叫んだ。

プアン対策委の李ヒョンミン執行委員長代行は「住民投票期間行動決意文」を通じて「プアン住民は、私たちの奪われた権利を、無能力で不道コな政府にこれ以上頼らず、自らつかもう」「住民投票は、私たちがどれほど団結しているかによってその成敗が分かれるだろう。かせぎにソウルへ行っている子供たちと隣近所の人が2月14日の投票に必ず参加できるように、私たち一人ひとりが働きかけよう」といった。

李委員長は「政府と公権力は、平和的で合法的に行われるプアンの住民投票を認めて協力するべきであり、これを妨害しようとするいかなる不法行為に対しても、過去私たちに適用した法規などを遵用して処罰するべきだ」と述べた。

プアン対策委は2月14日夜、住民投票結果を見守ってから反核民主広場へ集まって住民投票勝利宣言とともに核廃棄場白紙化を宣布する予定である。

推進派

同じ15日午後2時、「プアン郡国策事業誘致推進連盟」は会員130余名が参加して「不法住民投票無効宣言大会」をプアン芸術会館で行った。

プアン推進連盟は「2月14日住民投票を強行する場合、法的対応と物理的対応をする。これによって発生するすべての問題の責任は反対対策委員会にある。反対対策委の非民主的な不法投票強行と対話拒否に対して糾弾する」との声明書を発表した。

プアン推進連盟は、「政府が不法住民投票であることを知っていながら責任を放棄することがないよう、積極的に対処してくれることを促がす」「2月住民投票は参与政府を無力化させて総選挙をねらう世論糊塗に悪用される素地が多いので絶対に許せない」と強調した。

ウィド発展協の鄭ヨンボク会長は「2月14日の投票は法治国家ではありえない」「ウィドも住民投票を実施する」と対応した。徐インボク郡議員は「住民投票は、法が発効した後に、法に基づいて行うべきだ」と語った。また、「プアンビジョン」の金ジョンオン会長は「運動圈、環境団体は出で行って、プアンの人間同士で顔を合わせて静かに解決するべきだ」といった。

「YESプアン」の李範洙会長は「賛否は重要ではなくプアンで正義を守ることが重要である。不法示威、過剰鎮圧がなくなって、真摯に議論してこそ意義がある」「反対側が自体住民投票結果をもって不法的な行為を恣行するか心配だ」といった。

推進連盟の金会長は記者会見で、「もし住民投票が不法なら政府が阻止するはずだが、連盟側が物理力を動員して阻止する必要があるか」という質問に「その話に共感する。政府でもするだろうが、民の立場でも阻止する」といった。

「物理的対応をするか」という再質問に、彼は「大法院提訴など法的な検討をしているし、物理的対応よりは、まず説得する」と一歩しりぞいた。彼は「住民投票時期は、法的な手順によって住民投票法が発効(施行)される時点が望ましいし、自由な意見が保障される時期が適当である」といった。

プアン推進連盟側は大規模集会計画に対していまだ具体的日程と場所を公開できないとの立場を伝えた。

「住民投票管理委員会」発足

15日、「プアン放廃場誘致 参・反 住民投票管理委員会」が、全国市民社会団体によって構成、発足し、住民投票の本格的な始作を発表した。

この日午前11時、ソウル安国洞で記者会見を行った全国市民社会団体代表者たちは、「住民投票管理委員は、金キシク、鄭ヒョンベク、朴ウォンスン、李ハクヨン、池グムジョン、河スンチャン、朴ソクウン、李ゼウン、道法、洪グンス、金ビョンサン、金ヨン、孫ホチョル、洪ソンテ、李ジュヒャン、黄サンイク、李キョンス、金ビョンワン、金芝河、李トクウ、李ウォンスン、文キョンシム氏の総22名であり、委員長は朴ウォンスン弁護士が担当する」と表明した。

また、「わが社会の主要市民社会団体を代表する人物と宗教界、そして各地域の市民社会を代表できるような信望ある人々で構成、プアン住民投票が公正性と客観性、信頼性を担保できるようにしようとした」と、委員選定の背景を明らかにした。

住民投票管理委員会は、公報チ−ム・名簿作成チ−ム・公正選挙監視チ−ム・討論準備チ−ム・投開票管理チ−ムに役割が分化されており、 議論をへて来たる25日、具体的な住民投票方式を正式公示する予定だ。



ノーニュークス・アジアフォーラム通信 号外もくじ
(04年2月3日発行)B5版12ページ   

●15日プアン郡民5千余名、住民投票宣布式
●プアンのたたかいは巻とつながっている (鈴木明)
●住民投票をひかえたプアン住民たちの多様な表情
●プアン論争は自主住民投票で終息させよ(キム・スンファン)

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